東京で風を感じる露天風呂を楽しむ。杉並の住宅街、隠れ家的な高濃度炭酸泉(ゆ家 和ごころ 吉の湯・秀の湯)
全国炭酸泉めぐり
vol.7
こころやからだをリフレッシュさせるために欠かせない入浴。なかでも「高濃度炭酸泉」と呼ばれる濃度(ppm)が高い炭酸泉に入浴すると、からだへのよい効果も期待できるとされており、ヨーロッパでは古くから多くの人に利用されています。
「全国炭酸泉めぐり」では、高濃度炭酸泉を手軽に楽しめる入浴施設をめぐり、入浴した感想をレポート。今回は、東京23区内で自然の風を感じながら入浴できる「露天の高濃度炭酸泉施設」をめぐります。
住宅街の中にある人気スポット「ゆ家 和ごころ 吉の湯」
閑静な住宅街の一角にたたずむ「吉の湯」さん。最寄駅の高円寺や阿佐ヶ谷からはバスで向かい松ノ木住宅バス停で下車する同銭湯は、遠方からのお客さまも多い隠れた人気スポット。その人気の秘密を、店長さんに伺いました。
「当店の魅力は、露天スペースの広さです。室内とほぼ同じ広さがある露天スペースに、高濃度炭酸泉(1000ppm)をはじめ、サウナ・水風呂・外気浴スペース・つぼ湯があります。高濃度炭酸泉は39℃のぬる湯なのでのんびりゆっくり露天風呂を楽しめる、と常連さんにも大人気です。つねに多くのお客さまが入浴されているためゆっくり楽しみたい方は、平日の16時以前か、19時以降がおすすめですよ」
「露天の高濃度炭酸泉」は初体験でワクワクします。入浴してみると…
心地いい初夏の風に吹かれながら、青空の下で入る高濃度炭酸泉は格別。ぬる湯の露天風呂がこんなにも気持ちいいとは! ついついのんびりしてしまう常連さんの気持ちがよくわかります。のぼせる心配が少ない印象で、心ゆくまで入っていられます。
芯までじっくり温まって、入浴後は心身ともにすっきり。このままベッドに入って眠りたいと感じるほど、こころもからだもほぐれました。露天と高濃度炭酸泉、ダブルの気持ちよさは、いちど味わうとヤミツキになりそうです。
きれいで明るい、街のお風呂屋さん「秀の湯」
西荻窪駅より徒歩10分、昭和初期の創業から長年地元の人に愛されてきた銭湯「秀の湯」さん。90年以上も営業しているとは思えないほど、どこもかしこもピカピカに磨きこまれているのも印象的です。
そんな秀の湯さんで楽しめる「露天高濃度炭酸泉」の魅力を、オーナーの久留島(くるしま)さんに伺いました。
「露天の岩風呂をつくったのは先代オーナーの時代で、30年以上前だったと思います。銭湯にある露天風呂のはしりだったと聞きました。湯温は38℃を基本に、夏場は36℃にするなど、季節に合わせて変えています。露天なので、その日の天気や気温によってお湯の温度が変わりやすく、こまめに調整しているんですよ。『(温度がちょうどいいから)長く入れる』とお客さまからも好評で、炭酸泉の吹き出し口を陣取る常連さんもいるくらいです。また、露天には屋根やひさしがなく、空が抜けているのも珍しいと思います。天気のいい日は、ぜひ青空を見上げながら入浴してみてください」(久留島さん)
清潔感たっぷりの明るい浴室の先には、ごつごつとした本格的な岩風呂が。東京23区内ということを忘れてしまうほど趣のある空間で楽しむ「露天高濃度炭酸泉」に、テンションも高まります!
入浴してまず感じたのは、湯温の心地よさ。ほどよくぬるめで、外気温との差も絶妙。永遠に入っていられそうなほどでした。青空を見上げながら入浴できるのも、屋根やひさしがない露天ならでは。入浴後もからだがずっとポカポカしていて、元気が湧いてくるようでした。また、炭酸泉は非常に人気で、つねにお客さまでいっぱいだったのですが、入浴しようとした際、『どうぞ』と入浴中のみなさんがさっと場所を開けてくださるなど、譲り合いながら楽しんでいたのもステキな光景で、銭湯の温かさを感じることができました。
解放感や心地よさはもちろん、こころもからだもすこやかにしてくれる「露天高濃度炭酸泉」。気候がいい初夏は特におすすめです。ぜひ足を運んでみてください。
ゆ家 和ごころ 吉の湯
東京都杉並区成田東1-14-7
秀の湯
東京都杉並区桃井4−2−9
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