天然のシュワシュワ温泉、屈指の炭酸泉スポット。大分県「長湯温泉」の高濃度炭酸泉
全国炭酸泉めぐり
vol.14
こころやからだをリフレッシュさせるために欠かせない入浴。なかでも「高濃度炭酸泉」と呼ばれる濃度(ppm)が高い炭酸泉に入浴すると、からだへのよい効果も期待できるとされており、ヨーロッパでは古くから多くの人に利用されています。 「全国炭酸泉めぐり」では、高濃度炭酸泉を手軽に楽しめる入浴施設をめぐり、入浴した感想をレポート。今回は「世界屈指の炭酸泉」と名高い、大分県竹田市直入町の長湯温泉へ編集部が足をはこび、「ラムネ温泉」をはじめとした炭酸泉スポットについてお届けします。
世界屈指のシュワシュワ「ラムネ温泉」

長湯温泉エリアには、宿泊施設をはじめ、立ち寄りで入浴できる日帰り温泉施設が10以上存在しています。なかでも、ラムネ温泉は「シュワシュワ」を体感でき、炭酸飽和量も1,400ppmと一般的な入浴施設で再現される炭酸泉と比較しても高濃度です。



ラムネ温泉の館長、首藤さんによると、天然の炭酸泉には肌にアワがつく「炭酸泉」と「炭酸水素塩泉」という2種類の温泉があるとのこと。多くの温泉は温度が40-42℃に設定された1,000ppm以下の「炭酸水素塩泉」ですが、ラムネ温泉は31-32℃の源泉を加温せずひいた炭酸泉なので、貴重な「天然のシュワシュワ」が堪能できるのだそう。長湯温泉のなかでも、肌にアワがつく「炭酸泉」が堪能できる施設は数少ないといいます。



入浴してみると、体温よりも低いお湯ではあるものの、すぐ肌になじみ心地よい感覚に。ほどなくすると、全身にびっしり細かい泡がついて、これまでの炭酸泉での体感との差にびっくり。シュワシュワ感、そしてからだがめぐる感覚もあります。いつまでも入っていられそうでした。
おすすめの入浴方法についても、首藤さんに伺いました。
「いつまでも長く入れてしまうかもしれませんが、疲れて湯当たりしてしまうとよくないので、入浴時間は1時間以内にしてくださいね。夏はぬるい炭酸泉『ラムネ温泉』から、冬はにごり湯の温かい炭酸泉から入るのがおすすめです。入りすぎなければ、基本的には、好きな入り方をしていただいて問題ありませんよ」

男湯・女湯それぞれにぬるめの「ラムネ温泉」とあたたかめの「にごり湯」があり、「にごり湯」は3区画それぞれで湯温が異なります。にごり湯はシュワシュワしなくても、地中で成分が溶け合っている900ppm程度の「炭酸水素塩泉」です。

浴槽に溶け出している茶色いものは、マグネシウム・カルシウム・ナトリウムが結晶化されたもの。これが「温泉のパワー」になる源なのだそう。
こちらも入浴すると、ラムネ温泉で目覚めた体がより温まり、肌にアワはつかなくても炭酸泉らしい「シュワシュワ感」を体感します。
首藤さんからは「汚れがおちるという作用もあるので、入浴したあとは、よく肌を保湿してくださいね」というアドバイスもいただきました。


歴史ある長湯温泉の炭酸泉スポットはたくさんある

開湯300年以上の長湯温泉には、さまざまな温泉施設があります。川沿いにある公衆浴場で「ちょっと勇気がいる」といわれている「ガニ湯」は竹田市が管理している混浴の炭酸泉。24時間利用でき、タオルの貸出などはありません。女性は水着の着用が可能です。「人間の娘に恋をした蟹の伝説」からこの名前がついたといわれています。


「長湯温泉療養文化館 御前湯」は炭酸泉名湯の先駆けとして誕生した歴史ある施設。飲泉も可能で、朝早くから地元の方々が足を運んでいました。天然の炭酸水素塩泉として長くこの土地に根付いているスポットです。


御前湯もマグネシウム・カルシウム・ナトリウムが成分となる炭酸水素塩泉の「にごり湯」。内湯と露天風呂があり、とてもゆったりした空間です。こちらも、入浴すると、シュワシュワとしたからだの感覚がすぐわかりました。ぬるくてまったり入浴でき、アワがつかなくても天然の炭酸泉ならではの、優しいあたたまり方を感じます。

日帰り温泉施設はもちろん、宿泊施設もあり、炭酸泉の名湯スポットとして堪能できる長湯温泉。ぜひ、癒しスポットとして足をはこんでみてください。


・ラムネ温泉
大分県竹田市直入町大字長湯7676-2
https://lamune-onsen.co.jp/
・ガニ湯
大分県竹田市直入町長湯
https://maps.app.goo.gl/6gKThE7J6zu5ugkP9
・御前湯
大分県竹田市直入町長湯7962-1
https://www.gozenyu.com/
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