デザインされたエメラルドグリーンのタイルの世界観でリラックスしながら非日常を味わう。「狛江湯」の高濃度炭酸泉
全国炭酸泉めぐり
vol.11
こころやからだをリフレッシュさせるために欠かせない入浴。なかでも「高濃度炭酸泉」と呼ばれる濃度(ppm)が高い炭酸泉に入浴すると、からだへのよい効果も期待できるとされており、ヨーロッパでは古くから多くの人に利用されています。
「全国炭酸泉めぐり」では、高濃度炭酸泉を手軽に楽しめる入浴施設をめぐり、入浴した感想をレポート。今回は、東京都狛江市の「狛江湯」に伺いました。
人や情報がめぐる街のハブスポット「狛江湯」
小田急線狛江駅から徒歩3分にある「狛江湯」。コンクリートの打ちっぱなしの雰囲気が、一見カフェのような外観です。
1954年に創業し、2023年4月にリニューアル。「街や人、情報のハブになるような場所を目指したかった」という店主・西川さんの言葉通り、リニューアル後は遠方からの来客はもちろん、制服で来る学生さんも増えたのだそう。また併設されたカフェバーでは、クラフトビールやオリジナルのおつまみを楽しめたり、マルシェなどのイベントを定期的に開催したりしていて、銭湯以外の目的で訪れる人も多いと言います。
街や人を活性化し、生活を豊かにする。そんな「新しい銭湯のかたち」を発信している狛江湯では、どのような高濃度炭酸泉を楽しめるのでしょう。
「炭酸の濃度は1200ppm、湯温は36℃に設定しています。『狛江湯の炭酸泉は濃い気がする』『贅沢だよね』と常連さんからも人気があり、長時間入浴している方も多いです。ぬるめなので、お子さんと一緒にゆっくり入ることもできますよ。お年寄りからお子さんまで、みんなが心地よく入浴できるのも炭酸泉の魅力ですね」(西川さん)
1200ppmとは、本当に贅沢! 実際に入浴してみると……。
お湯に入って数十秒で身体全体に炭酸の気泡がつき、炭酸濃度の高さを実感。36℃という少し低めの温度なので、首までしっかり浸かっても熱さや苦しさを感じず、全身でじっくり炭酸泉を味わえます。筆者が入浴していると、常連さんたちが「最近調子がよくなくて、1週間続けて炭酸泉に入りに来ているの。気持ちいいし、身体も軽くなったのよ」と気さくに話しかけてくれます。こういうあたたかい交流も、街に根づいた銭湯ならでは。心身ともにほんわか満たされ、うれしい気分になりました。
湿度もたっぷり。85℃のサウナと14℃の水風呂
サウナ好きの間でも評判の狛江湯。20分にいちどのオートロウリュに麦飯石を使用した壁、少し深めにつくられた水風呂など、こだわりが詰まっています。
西川さん曰く、「サウナは85℃ですが、湿度も高くしているので、体感温度はそれ以上だと思います。10分入るのも大変なんじゃないかな」とのこと。サウナと水風呂でととのったあと、高濃度炭酸泉に入ってリラックス。最後にバーで一杯。最高の息抜きになりそうです。
狛江湯
東京都狛江市東和泉1-12-6 長谷川ビル
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