これぞ都会のオアシス。恵比寿&表参道で楽しむ高濃度炭酸泉(改良湯・清水湯)
全国炭酸泉めぐり
vol.4
こころやからだをリフレッシュさせるために欠かせない入浴。なかでも「高濃度炭酸泉」と呼ばれる濃度(ppm)が高い炭酸泉に入浴すると、からだへのよい効果も期待できるとされており、ヨーロッパでは古くから多くの人に利用されています。
「全国炭酸泉めぐり」では、高濃度炭酸泉を手軽に楽しめる入浴施設をめぐり、入浴した感想をレポート。4回目は、恵比寿と表参道で炭酸泉が堪能できる「空間を楽しむ」銭湯をめぐります。
大きなくじらが目印、渋谷区恵比寿「改良湯」
渋谷と恵比寿の中間に位置する改良湯。1916年創業の老舗銭湯ですが、2018年に全面リニューアルしデザイナーズ銭湯へと生まれ変わったことで、一躍超人気店に。
オーナーである大和慶子さんに、改良湯で楽しめる高濃度炭酸泉の魅力を伺いました。
「当店の炭酸泉は1000ppm以上あり、高濃度です。また、お風呂もシャワーも、お湯はすべて『軟水』を使用しているので、肌あたりがとてもまろやかなのも特徴です。『まるで化粧水をまとっているかのよう』とおっしゃるお客様も多いんですよ。リニューアルの際『今までにない雰囲気の銭湯をつくりたい』と考え、浴室をあえて暗めにし、間接照明やブルーのライティングを取り入れ、落ち着ける空間を意識しました。天井に映った水影を見ながら炭酸泉にぼーっとつかるのもおすすめです」(大和さん)
大和さんの言葉通り、浴室内は非日常。淡い明かりに照らされた湯船が、うす暗い浴室内にぼんやりと浮かび上がり、まるで宇宙空間のようです。さっそく入浴してみると……
お湯に入るとわずか数分でからだに細かい気泡がつき、炭酸濃度の高さを実感します。しかも照明の演出で気泡がキラキラと光って見え、とってもきれい! 水面のゆらめきや気泡の輝き、天井の水影を眺めながらゆっくりお湯につかっていると、疲れもストレスもふわ~と抜けていく感じ。あまりにもデトックス感がここちよく、休憩しながら3回も炭酸泉に入ってしまいました。浴槽が広いので、思いっきり足を伸ばして入れるのも開放感があってよかったです。入浴後は、「あ~気持ちよかった!」と、思わず声が出てしまうほどのすっきり感を味わうことができました。
銭湯初心者にもおすすめ港区「南青山 清水湯」
表参道駅から徒歩3分という便利な場所にある南青山 清水湯。なんと100年以上も前からこの地で銭湯を営んでいるんです。外観に暖簾もなく、一見「ここ本当に銭湯?」と迷いそうな雰囲気ですが、初心者でも入店しやすいよう、あえて銭湯らしくない店構えにしているそう。
オーナーの大倉正敬さんに、清水湯の炭酸泉についてお話を伺いました。
「清水湯の炭酸泉は1000ppmの高濃度炭酸泉です。また、全館に『軟水』を使用しており、軟水と相性のいいお風呂にこだわっています。なかでも高濃度炭酸泉はお客様からの人気も高く、以前機械の故障で炭酸泉を提供できなかったときは、ちょっとしたブーイングが起こったくらいです(笑)」(大倉さん)
「清水湯には、自分が納得いくお風呂を導入したい」という思いから、数々の銭湯をめぐったという大倉さんもイチオシの「高濃度炭酸泉×軟水」のお風呂。その入り心地は……?
驚いたのが、お湯のまろやかさ。からだをしっとり包み込むようなとろみに、炭酸ガスの気泡がはじけるパチパチとした刺激が加わり、不思議な感触を味わえます。肌をさわってみると、なめらかですべすべ。まさに、化粧水をなじませた後のような肌ざわりに。湯温は39℃とぬるめなので、しっとり&なめらかなお湯をじっくり楽しむことができました。炭酸泉の前には大きなガラスブロック窓があり自然光がふんだんに入るため、リフレッシュ感も高まります。入浴後は、こころもからだも軽やかで、明るい気分に。元気や前向きさを引き出してくれる、そんなお風呂だなぁと感じました。
仕事帰りやショッピングの合間に、気軽にふらっと立ち寄れる改良湯&清水湯は、まさに都会のオアシス。わたしたちの毎日をちょっと豊かにしてくれる、癒しスポットでした。
文・撮影:MEGLY編集部
- 全国炭酸泉めぐり 記事一覧
- vol.1 │ めぐってよかった東京23区の高濃度炭酸泉(テルマー湯・さやの湯処)
- vol.2 │めぐってよかった東京23区の高濃度炭酸泉(黄金湯・大黒湯)
- vol.3 │ 蒲田で堪能する天然温泉&高濃度炭酸泉(改正湯・はすぬま温泉)
- vol.4 │ これぞ都会のオアシス。恵比寿&表参道で楽しむ高濃度炭酸泉(改良湯・清水湯)
- vol.5 │ 清水みさとがめぐるサウナ&炭酸泉。スパメッツァおおたかで心も身体もととのう
- vol.6 │ 1日中いられるお風呂。神田&豊島園で楽しむ高濃度炭酸泉(RAKU SPA 1010 神田・バーデと天然温泉 豊島園 庭の湯)
- vol.7 │ 東京で風を感じる露天風呂を楽しむ。杉並の住宅街、隠れ家的な高濃度炭酸泉(ゆ家 和ごころ 吉の湯・秀の湯)
- vol.8 │ 「炭酸温泉」が夏の不調を整える。温泉マニアがおすすめするちょっと遠くのアワアワ名湯
- vol.9 │ ホスピタリティあふれる「下町のラグジュアリー銭湯」三ノ輪・改栄湯の高濃度炭酸泉
- vol.10 │ 「テルマー湯西麻布」でととのいから一日のスタートを。早朝利用OKの高濃度炭酸泉