めぐらせたいもの、なんですか?身近な「めぐり」に目を凝らす17人の声(後編)
【声の募集】めぐらせたいもの、なんですか?
vol.1
思いがめぐる、季節がめぐる、場所をめぐる……。わたしたちは日々のなかで何気なく「めぐる」という言葉を使っています。身体のめぐりが滞っていて自分の心の淀みを感じることもあれば、誰かとの何気ないやりとりが社会をめぐって遠くの誰かにまで影響を与えることもあります。自分自身の心やからだはもちろん、他者との関係性、組織やコミュニティ、社会の状況や地球環境などに目を凝らしてみると、わたしたちのまわりは、どこかでつながり循環しあっている「めぐり」に溢れているはず。
MEGLY&COでは、ウェブメディア「me and you little magazine」と共に「めぐらせたいもの、なんですか?」というテーマで声を集めました。多様な声から、身近にあるもっとめぐらせてもいいはずのものごとに気づけることを願って。
この記事は、前編はme and you little magazine、後編はMEGLY&COでお読みいただけます。
🤍声を寄せてくださった方々
前編(me and you little magazineに掲載)
あっこゴリラさん(ラッパー)、小谷実由さん(モデル)、永原真夏さん(ミュージシャン)、中里虎鉄さん(編集者・フォトグラファー・ライター)、山本奈衣瑠さん(モデル・俳優)
後編(MEGLY&COに掲載)
ermhoiさん(シンガーソングライター・トラックメイカー)、カナイフユキさん(イラストレーター)、清水みさとさん(タレント・女優)、xiangyuさん(アーティスト)、SIRUPさん(シンガーソングライター)
🤍公募で声を寄せてくださった方々
前編(me and you little magazineに掲載)
キョーンさん、なつはなさん、雫さん
後編(MEGLY&COに掲載)
矛盾さん、漢さん、きなこさん、ともやんさん
頭の中でめぐって欲しいこと。それは日々を救ってくれる心地よい記憶。香りや音までも再生させるような生きた記憶
ermhoiさん
頭の中でめぐって欲しいこと。それは日々を救ってくれる心地よい記憶。香りや音までも再生させるような生きた記憶。感情の起伏があとありと蘇る大切な記憶。あの日の言葉が自分やあの子に一体どんな影響を与えることとなったのか、例えるなら桶屋が儲かるために必要だった風は一体どこから来たのか辿っていくことだってできるような確かな記憶。だって私の頭の中には波の一つで平らになってしまいそうな砂の城のような記憶しかないような気がするものですから、いつもめぐって安心させて欲しいのです。
ermhoi
日本とアイルランド双方にルーツを持ち、ジャンルを縦横無尽に行き交うトラックメイカー/シンガー。1st Album『Junior Refugee』を2015年にSalvaged Tapesからリリース。その活動は映画やTVCMへの楽曲提供とリミックスのみならず、ボーカルやシンセ、コーラスとしてのサポートなど多岐に渡る。2018年には小林うてな、julia shortreedと共にblack boboiを結成し、「FUJI ROCK FESTIVAL ’19」のレッドマーキーに出演。2019年からは常田大希が率いるMillennium Paradeにも参加している。
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自分は、社会や自然環境にとって、良い「めぐり」の要因になれているかな? と自分を点検する日々
カナイフユキさん
ある人との会話の中で、天動説と地動説の話になりました。昔はみんな天動説を信じていたけれどいまは地動説が常識になっている。それはなぜかと言うと、単純に、天動説という古い常識を信じていた人たちが年をとって、死んで、いなくなったからだそう。常識というのは、そうやってゆっくり変わっていく。だから、古い考えを持つ人たちがいなくなれば、差別などの問題もマシになるかもしれない。実際、若い人たちの中には進歩的な考えを持っている人が多いし、とその人は言いました。僕は、たしかにそうかもしれないと思いつつ、本当にそれでいいのだろうか?とも思いました。
新陳代謝は放っておいても起きますが、人の体が食生活や運動などの影響を受けて健康になったり不健康になったりするように、良い「めぐり」にはそれなりの要因が必要なはずです。自分は、社会や自然環境にとって、良い「めぐり」の要因になれているかな?と自分を点検する日々です。
カナイフユキ
イラストレーター・コミック作家として活動しつつ、エッセイなどのテキスト作品やそれらをまとめたzineの創作を行う。主な仕事にケイト・ザンブレノ著『ヒロインズ』の装画、レベッカ・ブラウン著、柴田元幸訳『ゼペット』の挿絵など。自身の作品集としては『LONG WAY HOME』『ゆっくりと届く祈り』が発売中。
Website
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柔らかさと素直さをめぐらせると、きっと見たことのない景色がみれるから
清水みさとさん
数々の縁を経てたどり着いた今が、今のわたしが、わたしは大好きでたまらない。日々、出会いが満ちている中で、わたしはできるだけその出会いにめぐりあいたいと思っている。小さくても大きくても、なんだっていいのだ。楽しくて面白いこと、ひとに、出会いたい。だから、誘われたら行ってみるし、機会があればやってみるし、おすすめされたら食べてみる。そういう柔らかさと素直さをめぐらせると、きっと見たことのない景色がみれるから。まだまだいろんなものを、わたしは見たい。流れに身を任せて、ゆらゆら、ふわふわ。そんなふうに軽やかに、人生を楽しみたいと思っている。
清水みさと
女優、タレント。サウナ好きが高じていつの間にかサウナの人に。365日、サウナ通いを続ける毎日。日本最大のサウナ検索サイト「サウナイキタイ」のモデル、ラジオ「清水みさとの、サウナいこ?」(AuDee/JFN全国21局ネット)のパーソナリティー、TBS「世界ふしぎ発見!」のミステリーハンターに挑戦するなど、多方面で活躍する。
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良い加減、道、めぐらせたい
xiangyuさん
玄関から部屋に入るまでの通路に物を置いてしまいがちだ。カバンや、着ていた上着もその場で脱ぎ捨ててしまうし、靴下を器用に足だけで脱ぎそのまんま、スーパーで買ってきた物をそのまんまなんて事もしばしばある。
一人暮らしを始めた時母に「玄関から部屋までの通路は神様の通り道なんだからキレイにしとくんだよ!」と口酸っぱく言われた記憶があるが、気が緩むとどうしても通路を塞いでしまう。あれだけ何かにつけて神社にお参りに行ってるのに、肝心の自宅の神道が通れなかったら神様もどうにも出来ないだろう。良い加減、道、めぐらせたい。
xiangyu
2018年9月からライブ活動開始。 日本の女性ソロアーティスト。読み方はシャンユー。 名前は本名が由来となっている。 Gqom(ゴム)をベースにした楽曲でミステリアスなミュージックビデオも公開中。2019年、5月22日に初のEP『はじめての○○図鑑』をリリース。 また、xiangyuとファッションブランドPERMINUTEのデザイナー半澤慶樹で主宰する川のごみから衣装を創作するプロジェクト“RIVERSIDE STORY”では、渋谷川編と題し2022年9月に初の個展を恵比寿KATAにて開催するなど、音楽以外でも元々活動しているアートやファッション、映画への出演など、垣根を超えた活動を行っている。 今年2022年の7月16日からはxiangyu自身が主演・主題歌を担当した、映画『ほとぼりメルトサウンズ』が新宿のK’s cinemaより順次、全国公開。また、11月25日には初の書籍「ときどき寿」を小学館から発売している。
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何かを受け取り発信する前に、改めて自分の身の回りにある物に考えをめぐらせてみてほしい
SIRUPさん
あらゆる情報が凄まじい量と凄まじい速度で生活の中に押し寄せる現代では、巡る間もなく頭はパンパン。
何かを受け取り発信する前に、改めて自分の身の回りにある物に考えをめぐらせてみてほしい。
キーホルダー、財布、住まい、歯ブラシ、去年買ったTシャツ、など全て何故それを選んだのかを思い出してみてください。
そこから少し自分という存在を思い出せれば、自分がどこにいるかのヒントや、何を選んで生きていけばいいかもわかるかもしれないです。
それはセルフケアであり、そんな「自分巡り」を楽しんでください!
最近香水にハマっていて、その中でもお気に入りがこちら。
この香水を好きな理由に思いを馳せて自分巡り中。
SIRUP
ラップと歌を自由に行き来するボーカルスタイルと、自身のルーツであるネオソウルやR&BにゴスペルとHIPHOPを融合した、ジャンルにとらわれず洗練されたサウンドで、誰もがFEEL GOODとなれる音楽を発信している。
2021年には2nd フルアルバム「cure」をリリースし、同年「FUJI ROCK FESTIVALʼ21」に、国内のR&Bアーティストでは異例となる初出演でメインステージ GREENSTAGEに立ち、圧巻のパフォーマンスを魅せた。 2022年に入ってからも世界的ポップスター「Years & Years」のRemix参加や、アイリッシュ・ウイスキー「JAMESON」、オーディオブランド「BOSE」とのコラボを発表、11月には自身初となる日本武道館公演を開催するなど、日本を代表するR&Bシンガーとして音楽のみならず様々な分野でその活躍を広げている。2023年4月に最新EP「BLUE BLUR」をリリース。
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違和感を「なんか嫌」「なんかひっかかる」という言葉で終わらせ、小さな「なんか」が気づけば大きな塊となって私を傷つけていた
矛盾さん(東京都・24歳・会社員)
社会人になってもうすぐ1年。慣れない環境や東京という掴みきれない街への疲れからか、日々の「なんか」を消化せずに過ごしてしまった。 社会や政治、私に向けられた言動、街で見かけたモノ、大小問わず確かにそこにあった違和感を「なんか嫌」「なんかひっかかる」という言葉で終わらせ、小さな「なんか」が気づけば大きな塊となって私を傷つけていた。日々私が感じる違和感に、せめて私だけは向き合う存在でありたい。自分が発した小さなSOSなのだから。自分の中で巡らせ、消化し、人に話せば巡り巡って社会が良くなると信じている。 「なんか」を巡らせることで、その正体を暴いてやるのだ。私のために。
好き!へのトキメキが、これからもどんどんめぐってめぐって、自分も、一緒にいる人も、明るい気持ちを運んでくれたらいいな
漢さん(東京都・女性・24歳・会社員)
わたしがめぐらせたいものは、自分の好き! へのトキメキである。
芸術がつくものはなんでも好きで、ファッションが好き、本の装着が好き、散歩していたら目につくビルやマンションのディテールや、道に咲いている花や雑草が好き!
なんとなく体調が優れない日、仕事で失敗した日、失恋した日、自分がグズグズでも日常に溢れている芸術はかわらずにそこにいて、自分の好き!を呼び起こして勇気づけてくれた。
いろんなものにトキメキを感じている私を観て、友達が「一緒にいると幸せな気分になる」と言ってくれた。
好き! へのトキメキが、これからもどんどんめぐってめぐって、自分も、一緒にいる人も、明るい気持ちを運んでくれたらいいな、と思う。
自分の思考や頭の中をもっと「めぐらせたい」
きなこさん(神奈川県・女性・37歳・会社員)
自分の思考や頭の中をもっと「めぐらせたい」です。
そのように感じる理由は
・インターネットやSNSにより圧倒的にインプットする情報量が増えたことで頭の中があらゆることで常にいっぱいになってしまっていること
・SNSでは見たい情報だけを見ている自覚があるため逆に視野がせまくなってきているという危機感があること
です。
・インプットの量をもう少し減らして、脳を休めること(できれば瞑想の習慣を作りたい)
・少なくともインプットと同じ量のアウトプットをしていくこと
この2点が実行できれば、もう少し頭の中が「めぐっていく」のかなぁと思っています。
娘が生まれてくれたからこそ、人と人との繋がりを感じることができた上、毎日毎日感謝の気持ちをめぐらせることができた
ともやんさん(東京都・女性・35歳・会社員)
娘が早産で生まれ、生まれてすぐにNICU(新生児集中治療管理室)に入りました。入院中は、NICUの方々だけでなく、お医者様をはじめ多職種の方が私も娘のケアに携わってくださいました。娘が生まれてくれたからこそ、人と人との繋がりを感じることができた上、毎日毎日感謝の気持ちをめぐらせることができたと思います。
- 関連記事(『me and you little magazine』に掲載)
メインビジュアル:UESATSU
編集:竹中万季・野村由芽(me and you)