炭酸水で手浴&足浴|ほっと一息、かんたんに「めぐり」を促す方法
身近なものだけど、実はあまりよく分からない、「炭酸」を知って活用していくための場所。
炭酸のちから
指先から手首までをお湯につける「手浴(しゅよく)」や、足先から膝あたりまでをお湯につける「足浴(そくよく)」は、全身入浴よりも手軽なうえ、部分的にからだを温めることで血行もよくなる、入浴方法。そんな手浴&足浴を「炭酸水」で行うと、普通のお湯よりも早く効果的にからだを温められたり、心身ともにリラックスできたりするのだそう。今回は、炭酸水を使った手浴&足浴にチャレンジ。詳しい方法やその魅力をご紹介します。
炭酸水は常温がおすすめ
とくに暑い夏は体温が上がりやすく、準備する炭酸水は常温がおすすめです。
- 常温の炭酸水のほうが炭酸濃度が高く、血管が拡張しやすい
- 炭酸水は低い温度でも血管拡張される
- 常温だと体温が上がらないので副交感神経が優位になりリラックスしやすい
- 炭酸水は通常の温度感覚から2〜3℃程度高く感じる。25℃だと28℃程度に感じ、33℃くらいの炭酸水では体温と同じくらいの感覚になるので冷たく感じない
炭酸水手浴で自律神経を整える

炭酸水に手をつけると、炭酸ガスが手の皮ふから浸透し、血管が開きやすくなります。それが脳に伝わることで自律神経がリラックスモードに切り替わり、副交感神経が優位に働きやすくなります。すると、血管が拡張し、血流量が増え、結果的に全身の血行が促進されます。また、睡眠前に手浴を行うと、入眠しやすくなるというメリットも。寝つきが悪かったり深く眠れなかったりするときは、炭酸水手浴でめぐりを高め、リラックスしてみましょう。
■手浴の方法
常温の場合
《用意するもの》
・常温の炭酸水(1リットル)
【やり方】
炭酸水のなかに足をつけ、15分程度手浴する
温めたい場合
《用意するもの》
・常温の炭酸水(1リットル)
・洗面器
・50℃~55℃程度のお湯(洗面器8分目程度の量)
【やり方】
①50℃~55℃程度の湯を洗面器に入れ、その中に炭酸水のペットボトルを入れて温める
※夏場や、多少の冷たさが平気であれば、常温の炭酸水に直接手をつけても問題ありません
②炭酸水が人肌程度に温まったら、洗面器の湯を捨て、炭酸水を静かに注ぐ
③炭酸水のなかに手首までつけ、15分程度手浴する
注意点
・温度が高くなると炭酸ガスが抜けてしまうため、炭酸水は38℃~39℃以上に温めない
・冷えた炭酸水だと温まるのに時間がかかるので、常温のものを使用する ・洗面器に炭酸水を注ぐ際はゆっくり行う。勢いよく注ぐと炭酸ガスが抜けてしまいます
炭酸水足浴で疲労回復リフレッシュ

◼️炭酸水足浴の魅力とは?
炭酸水での足浴も、全身の血行が促進されるため、手浴同様の効果を得られます。また、全身の血行がよくなると、体内にある疲労物質をすばやく追い出すことができるので、疲労回復にもつながります。疲れがとれない、からだがだるいなどのぐったり感」は、炭酸水の足浴ですっきりするかもしれません。
■足浴の方法
常温の場合
《用意するもの》
・常温の炭酸水(1リットル)
・洗面器(もしくはバケツなど深さのある容器)
【常温の場合のやり方】
炭酸水のなかに足をつけ、15分程度足浴する
温めたい場合
《温めたい場合に用意するもの》
・常温の炭酸水(1リットル)
・洗面器(もしくはバケツなど深さのある容器)
・50~55℃程度の湯(バケツなど深さのある容器8分目程度)
【温める場合のやり方】
①50~55℃程度の湯程度の湯を洗面器ないしはバケツに入れ、その中に炭酸水のペットボトルを入れて温める
②炭酸水が人肌程度に温まったら、洗面器ないしはバケツの中に炭酸水を静かに注ぐ。
※ふくらはぎ辺りまで炭酸水につけたほうが効果的なので、バケツなど深さのある容器を使用すると◎
③炭酸水のなかに足をつけ、15分程度足浴する
注意点
・温度が高くなると炭酸ガスが抜けてしまうため、炭酸水は38℃~39℃以上に温めない
・冷えた炭酸水だと温まるのに時間がかかるので、常温のものを使用する
・洗面器に炭酸水を注ぐ際はゆっくり行う。勢いよく注ぐと炭酸ガスが抜けてしまいます
・炭酸水のみで足浴を行うことも可能です。その場合は炭酸水を2リットル使用します
炭酸水手浴&足浴をやってみた

まずは「炭酸水手浴」に挑戦。筆者は常温の炭酸水を温めずに使用しましたが、冷たいと感じない温度だったので、真冬以外は常温炭酸水をそのまま使用しても問題なさそうです。

炭酸水に手をつけて2〜3分ほど待つと、手首から指先までがまっ赤に! 炭酸水に入れていない腕の色との差が一目瞭然です。熱めのお風呂に入ると血行が促進されて肌が赤くなりますが、今手を入れているのは、熱めどころか常温の炭酸水。にもかかわらず、こんなにも血行がよくなるのかと驚きました。

「炭酸水足浴」は、常温の炭酸水2リットルでチャレンジ。足先からふくらはぎの手前あたりまでを炭酸水につけたのですが、手浴と同様、炭酸水につけた部分がまっ赤に。炭酸水につける範囲が広いためか、手浴よりもより全身がポカポカしました。炭酸の泡がパチパチとはじける刺激もここちよく、シャキッとリフレッシュできた気がします。
「手浴」は両手がふさがってしまうため、自由が利かなくなってしまうのが若干のデメリット。一方「足浴」は、仕事しながら、読書しながら、スマホをさわりながらなど、何かしながら行えるので、より生活に取り入れやすいと感じました。
炭酸浴の効果を自宅で気軽に楽しみたいときはもちろん、すっきりしたいときやゆったりしたいときにもいい、炭酸水手浴&足浴。めぐりの力で、よりすこやかな毎日をすごしましょう。
文:イトウウミ
イラスト:小林マキ
編集:MEGLY編集部
監修:前田 眞治(国際医療福祉大学 教授)
参考書籍:『この一冊で「炭酸」パワーを使いきる!』前田 眞治