炭酸洗顔・美容液・パック…。おすすめ炭酸美容アイテムを知りたい!
身近なものだけど、実はあまりよく分からない、「炭酸」を知って活用していくための場所。
炭酸のちから
そもそも炭酸って何? 炭酸洗顔とは?
最近、よく耳にする炭酸美容や炭酸泡洗顔といったワード。炭酸泉など温泉に美肌の湯と呼ばれるものがあるのは知っているけど、実際、どのように肌にいいのか、と疑問に思う方も多いのでは。そもそも炭酸とは何か、ご存知ですか? 炭酸とは二酸化炭素が水に溶け込んだもの。とはいえ、私たちが吐く息の大部分を占める二酸化炭素(CO2)とは微妙に違って、化学式でいうとH2CO3となります。水のH2OにCO2がドッキングしていることがよくわかります。
炭酸水はガラス製品や鏡、眼鏡などをきれいにする掃除の裏技でも知られているように、炭酸の弾ける細かな泡が、物質と汚れの間に潜りこんで、汚れを浮かせる力を持っています。界面活性剤を使わずに汚れを落とすこの力を利用したのが、炭酸泡洗顔や炭酸シャンプーというわけです。
炭酸の泡は小さいので小鼻の黒ずみなど、蓄積した毛穴汚れが気になるときに使うと、すっきり。保湿効果があるわけではないので、汚れを落としたクリーンな肌に化粧水や美容液などで潤いをすみずみまで届けると、肌がふっくらしっとりします。以下に炭酸美容として今、人気の洗顔料をはじめ、炭酸アイテムを紹介します。
炭酸の汚れを浮かす力を引き出すならパチパチ弾けない高濃度炭酸泡の洗顔料を
炭酸洗顔は炭酸水で顔や髪をすすぐだけでも毛穴がきゅっと引き締まる感覚が得られて気持ちいいものではありますが、飲む炭酸水を使うと費用がかかると感じる方もいるのではないでしょうか?。また、炭酸が肌表面の汚れに触れることが大事なので洗面器に入れた炭酸水では時間とともにパチパチと弾けて空気中に逃げてしまい、肌に作用する前に皮脂や汚れを浮き上がらせる力が弱まってしまいます。
そこで高濃度な炭酸を泡に閉じ込めた泡洗顔料の出番。炭酸泡の洗顔料がパチパチと音がしないのは炭酸がマイクロサイズで簡単に弾けてしまわないため。炭酸が大きなソーダ水などは炭酸同士がくっつくと中に抱えた空気が大きくなり、炭酸の膜が破裂します。これがパチパチ、シュワシュワの正体です。炭酸泡の洗顔料はムースの中に炭酸を閉じ込め、肌にムラなく塗り広げられるようになっています。小鼻など毛穴の汚れが溜まりがちな細かい部分にも密着させやすいので、肌をこすることなく炭酸の力で汚れを浮かび上がらせられるのです。今、流行りの摩擦レス洗顔にも自動的になっているというわけですね。
小さい炭酸がたっぷり入った高濃度な炭酸泡の洗顔料であれば、肌との接地面積が増えるため、洗浄力が高まることも期待できます。
炭酸コスメの可能性に注目
炭酸を配合したコスメの種類が増えてきましたが、製品ごとの特徴をここでおさらい。
まず泡の美容液は液だれすることなく、くまなく肌に塗布できるのがまず一番の利点。肌への接地面を増やすことで角層への浸透を高める狙いも。
ジェルパックはその場で炭酸泡を作ることで泡の密閉効果で高濃度の炭酸を肌に長時間送り込み続けることを可能にしたもの。ともに配合した成分の働きで、肌がつるんとなめらかになります。大事な予定のある日や乾燥ぐすみが気になるときに使います。
ミストタイプは細かい霧状のため、化粧水としてはもちろん、メイクをした上からでも使えるのが便利。顔だけでなく、首筋からデコルテを始め、頭皮やふくらはぎなどさまざまなパーツにシューッと吹きかけやすいです。
炭酸を閉じ込めたタブレットをお湯に溶け出させ、温浴効果を高めるのが入浴剤。ちなみに入浴剤が発泡するときのぶくぶくとした泡に触れるのがよいと思われる方もいるかもしれませんが、実は炭酸がお湯に溶け込んだ状態で体に触れることで温浴効果を得られるものなのです。
- 泡洗顔料 : 炭酸の力で皮脂や汚れを浮き上がらせる
- ジェルパック : その場で炭酸を大量に閉じ込めたジェルを発生させ、持続的に炭酸に肌を触れさせることで皮脂や汚れを浮き上がらせる
- ミスト化粧水 : デイリーに使う化粧水で炭酸を塗布できる。メイクの上からもOK
- 入浴剤 : 炭酸がお湯に溶け込むことで温浴効果が高まる
- 泡美容液 : 泡の中に炭酸と美容成分を閉じ込め、角層のすみずみに届ける
使う炭酸コスメ、濃度をチェックして
炭酸コスメには500ppmや1000ppmなど、ppm(ピーピーエム)という単位で炭酸の濃度が表記されています。ppmは%(パーセント)と同じように使い、ppmは百万分の1を表すので1ppmは0.0001%の含有量となります。
実は、炭酸コスメの品質について、高濃度であればあるほどよいかというとそういうものではありません。むしろ高濃度になるとパチパチと弾ける刺激を強く感じてしまう人もいるので肌が弱い方は避けた方が無難です。濃度の高さだけにとらわれず、肌に触れるまで炭酸が抜けてしまわないよう、閉じ込めておける技術がその製品にあるかないかに着目しましょう。自然がくれた偉大な炭酸の美容効果を取り入れた炭酸アイテム。ご自身の肌やライフスタイルに合うアイテムを上手に取り入れてみてください。
文:平輝乃
美容編集者歴約30年。長きにわたり、最前線で化粧品の進化を見守ってきた。難解なスキンケアのテクノロジーをわかりやすく紐解く誌面作りに定評。美容に興味のない人も、楽しく読んでためになる記事づくりがモットー。